8.16.2007

靖国、回避

安倍首相は終戦記念日に靖国神社への参拝を見送った。最近読んだ本やら主義主張やらを熟慮の結果、靖国神社は成り立ち自体はやはり「作り物」であり、そこに眠る英霊は別の国立の施設へ移すべきだと私自身は考えている為に、変に諸国を刺激するような真似をあえてしなかったことをフォーカスすれば良かったと思う。

ただ、安倍首相の本来の主張はどうしたの?と思う。ちょうど一年前くらいに読んだ彼の著作の主張、ないしは麻生外務大臣の著作の主張などで見られたあの勢いは一体どうしちまったのかと。言うならやれ、やらぬなら言うな。一本筋が通っていないことは嫌いだ。一本筋が通っているのならば、それは自分と意見が違っても行動としては認められる。結局は選挙に負けたことが原因なんだろうけれども、それで自分達の主義を貫けないのであれば、辞めるしかないのではないかと思う。

今年の8月15日もきれいな空をしていた。62年前の8月15日もきれいな空だったと聞く。確か8月15日は晴れの特異日なんだったけな?62年前、暗黒の戦争時代にようやく終止符を打って、ほっと安堵を迎えた一方で、挙国一致体制でやってきたそれまでの20年は一体なんだったのか、という虚無状態に多くの人が陥ったのだと思う。国家を挙げての大失敗をやらかしてしまったわけだから、多くの犠牲を伴って。日経の夕刊に、息子2人が徴兵された父親が自らも志願して入隊した挙げ句戦没された、という話が載っていた。崇高な話だと思う。ただそれが未熟な国家体制による道の踏み間違えによる悲劇の結末であったという事実は非常に残念だし、そんな悲劇があちらこちらに起こっていたことを考えると国のかたちを真剣に考える必要がある。

平和ボケしてしまったこの国の政治の世界では、薄い議論が飛び交いがちだけれども、もう一度色んな事実に真剣に目を向けて深い議論をする必要があるのではないかと思う。自らの保身などを第一に考える政治家には国を預けたくない。

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