8.16.2010

日本列島沈没

日本のGDPが中国に抜かれた模様だ。確かに大ニュースではあるのだが、既にカウントダウンに入っていたわけであり、特段追いつかれまいと必死の努力が見られたわけでもなく、そう考えると逆転優勝が決まったあとの消化試合のような間の抜け方だ。考えてみれば当たり前の話である。公称でも日本の10倍以上の人がひしめいているのだ。GDPという単一の統計上の数量において、抜かれない日が来ない方がおかしい。次は米国を抜くのかどうかだ。2022年から25年にかけて抜くだろうと予想する人も多い。

この際、中国政府の統計が怪しいだの人民元の為替水準がどうの、と言う話は脇に置いたとしても、圧巻なのはその伸び率である。バブルだろうが何だろうが、とにかくものすごい勢いで経済の拡張を進め、また多くの農民が都市に流入し、日々新たな消費者層を生み出している。

翻って日本だが、内需現状維持か縮小の傾向が続く。これは完全に致し方なしだ。一人当たりの消費を増やそうにも、デフレで勢い削がれるわ、増やすだけのモチベーションもない。一つには都市部の人口は、ある意味既に十分に消費を行なっており、大幅なアップサイドは望めない。となると底上げしかないのだが、日本全体で産業構造の転換がうまく行っていないが故に、ただ国策について来てしまっただけの地方部は疲弊してしまっているし、自活の手段もインフラも乏しい。地産地消なんてことも言ってみるがニワトリとタマゴの議論じゃないが、そもそもそのスパイラルに入ることすら出来ないまでの疲弊が現状だ。それって実は既に昔から始まっていたのかもしれない。自分自身13年前に東北地方を自転車で縦断旅行したのだが、その時に学生だったけれども、既に地方の疲弊は十分に感じられていた。完全に政治のミスなように思えた。明らかに車通りが少ない国道をバイパスする道を作る工事が休工中だったりしたのだ。自転車のスピードでの旅だったから意味のない工事であるのは直ぐに見抜けた。戦後の上野駅に向かう汽車とは訳が違うのだ。当時と違ってリビングミニマムは満たされているので、死に物狂いさは感じられない。「念願の」何とか縦断道路であったはずが休工中って何だよ?って話だ。

このまま無策でいると本当に手遅れ(あるいは既に?)だ。呑気に何ヶ月チンタラと「為替の動きを見守る必要がある」場合じゃないだろうよ。

本当に福祉の手当が必要なところには大枚はたいて良いと思う。ただ、現実問題として政治による福祉を必要としている層は限定的で、ほとんどの人は子ども手当なんかいらない。本当に必要なものは、前向きな気持ちを持つことができる指針だ。日本全体に蔓延している沈滞ムードを一気に打ち払うことのできる希望だ。そのためには、先のニワトリとタマゴに陥らないためにも、同じ東アジアで昇っている龍に、引きずられるべきなんじゃないかと思う。

日本では内需拡大信仰が強い様に思うが、未だかつて島国や小国で内需による経済成長を遂げた国はない。古代ローマ、大航海時代のオランダ、スペイン、ポルトガル、後の大英帝国、これら国々はみんな外向きの力によって国を発展させてきた。大抵は搾取によるものだったが。フロンティアを失った今、搾取できる資源もそもそもないが、唯一あるのだとすれば、それは欲望だろう。今の中国人旅行客の買い物袋の数を見れば一目瞭然だ。リッチになりたい、という欲望以外に合法的に搾取できるものはあるだろうか?今はそれをもう何年やってるか分からないYokoso! Japanで増やそうとしているが、効果はいかほど?花屋の店先に並んだ色んな花を見てくれる人を待っているよりも、うちの花を買ってくれと懇願しに行った方が売れるに決まっている。いつまでオンリーワンを標榜していれば良いのだろう?ロンリーワンになる日が足元まで来ているのに。ナンバーワンにならなくてもいい、ただナンバーツーの勢いにしがみ付いて離れるな、と思う。

幸いにして品質管理技術に関しては、ある意味無駄に高いのが日本だ。しかし世界にはそれを求める余裕のある人、そのステータスを得たいと思う人がいる。だったら、逆手にとって、その無駄をトコトン世界に売る、というのも手だ。安かろう悪かろう、じゃなくて、安くて旨いを作れるのも日本だ。だから多少の所得の格差が日本と比べてある国(相対的に物価が安い)に対してであっても、企業がちょっと頑張ればその対象国の中流層でも手に入る高級品が作れる。輸入した廉価版を国内消費層の限られたパイを奪い合うような戦略ではダメだ。無駄に高品質であっても優れた製品・サービスを海外の巨大な消費市場に売りつける戦略でなきゃダメだ。

そうやってみると、やることがまた一段とクリアに見えてきた。ビジョンだけでは仕方がない。ビジョンに加えて実際に手を動かさなければ。沈みかけている船にビジョンだけでは役に立たず、とにかく必死になって水をくみ出すか穴を塞ぐかをしなきゃいけないのだが。でも一人でせっせと動いても、周りが茫然と立ち尽くしていたら意味がない。目を覚ませ!と顔をひっぱたくか、こいつらダメだと妻子供だけを連れて脱出ボートで逃げ出すかどちらかだ。今だったらどっちだ?

8.11.2010

あまりにも気持ちがいいものだから

つい空の写真を撮ってみた。

夏休みもちょうど真ん中を迎えているがけれども、非常に充実してリフレッシュ出来ている。特に何をしている訳でもないんだけれども、自分のためだけの時間ってしばらくなかったから、改めて自分自身と向き合うことを意識して時間を使っているから、自分的には中身がとっても濃い休みになっている。BlackBerryは放り出したまま、今日の夜のアポの場所を確認するために一度今朝開けたけど、他のメールはみないフリをした。

休みが明ける頃には、外形は変わっていなくても、中身がポジティブ、クリエイティブ、アクティブな人間になっていたい。やらなきゃいけない事に追われる事なく、やりたい事をどんどんやって行きたい。時間が足りないとボヤくのではなく、使える時間を探し回って嬉々としていたい。ゾーンに入れるほど打ち込める集中力を得たい。人間を上げたい。家族をより愛したい。

自分がやる事は見えてきた。何も大きな事を言うつもりはない。時間を重ねる以外に未来はない。なので毎日を大切に生きて行こうと思う。もし近道があるならば、目の前の事に集中して取り組む事だろう。いきなりタイガーのようなショットは打てない。でも次のワンショットに集中して、身体に覚えこませて、ボールの行方を見て、何がいけなかったのか考えることなら今でも出来る。ただ闇雲に振り回す前に。

8.09.2010

Inception インセプション

ディカプリオと渡辺謙の新作を映画館で観て来た。何気に映画を観たのは久々だったのだが、良い作品であって運が良かった。
夢を通じて、標的となる人物の潜在意識に入り込む、というSFなんだけれども、最近現実の感覚はかなりの部分において脳が制御しているといった本を読んだりした事もあり、吸い込まれるようにして見入った。あくまでSFではあるものの、実際にあり得るのではないか、と。

また、ひょっとすると、多重人格や統合失調症などのある種の精神疾患は、現実を見失うことを考えると、これに近いモノがあるのかもしれない。専門家でも何でもないので、適当なことは言えないが。

かなりよく出来た作品であることには違いない。

8.07.2010

夏休み!

今日から夏休み。16日出社となります。2010年前半戦終了、といったところでしょうか。

今年は比較的満足しています。夏休みは特にどこかへ、という予定はありませんが、ゆっくり休みたいと思います。