4.03.2006

ブリタニカ、Nature誌に反論--Wikipediaの正確性に関する調査を非難

ブリタニカ、Nature誌に反論--Wikipediaの正確性に関する調査を非難

ブリタニカが、オンライン版のライバルであるWikipediaの
正確さについて述べたNature誌の記事に反論した。


先日Bookshelfで紹介した ウェブ進化論にもWikipediaの記述があったが、既存メディア(テレビ、ラジオ、本、雑誌etc.)には発信する側、受信する側という二極構造が成り立っており、発信する側には巨大なインフラ構築の必要性も含めて、それを実行し、またそうすることで権威を保っていた。Wikipediaはインターネット上の百科事典で誰の手によっても書き込みも出来る(発信)し、読む(受信)のも無料である。そういった敷居の低さが受けて、日に日にそのカバーする範囲は広がっている。

正直、ブリタニカの反論は、Wikipediaの台頭に焦っているから、という理由に尽きるような気がするが、ここは同じ土俵でお互いの主張を繰り返してもダメ。

多分、どちらのほうが正確な記事を書くことが出来るか、という議論はいつになっても収まらないし、あまり意味があることのように思えない。どちらも同じくらいの起こりやすさでミスは生じるだろうし、どちらも同じくらいの高品質の記事を書くことができる。(きっと)

ブリタニカは、そのあり方を対Wikipediaという一辺倒なものの考え方ではなく、自らの業界内におけるポジショニングを再検討するべき。(本による)百科事典の発行にだって依然意味はあるし、それが閉じた編集系によるものであっても、意義は十分にある。例えばWikipediaは開きすぎている編集系であるために、誤った情報を載せる方法を簡単に提供している。小中学生の子供(善悪、正誤の区別をまだ完全にはつけられない)の夏休みの宿題は、ブリタニカの百科事典を図書館で調べてやるべきなのかもしれない。またWebというインターフェイスは紙に比べたらまだ表現方法の自由度は低いし、見易さ、調べやすさ、といったようなノウハウはブリタニカの方が蓄積してきているはず。

兎にも角にも、ブリタニカはたった今死刑宣告をされているわけではなく、これからも生き続けるはず。その間に情勢を見極めて、自らのあり方を適格に情勢に適応させていけば良いんじゃないかな

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