3.22.2009

おすすめできない

一夜明けてだいぶ落ち着きましたが、昨晩観た映画『チェンジリング』は、あまりにショックが強すぎて、子供を持つ親にはおすすめできません。詳しくストーリーも書きませんが、今まで映画を観ていて身体が動かなくなるような悲痛を得たことはなく、正直辛すぎて途中で出たかったのだけど、最後まで観ました。

子供が巻き込まれる犯罪の被害者家族の気持ちがとても良く分かる映画でした。しかし、実際に子供を持つ親には重過ぎるテーマで、描写もちょっとやり過ぎだと思いました。

今日この映画批評を色々なところで読んでみたけど、母親の強さだとか希望だとか、色々適当なことを書いてある批評が多かったけれども、そんな美しい話でも何ともなく、ただ本当にあった悲劇の痛みと、残された者の絶望的なまでの執着が本当に辛いだけの映画でした。

希望を持ちそれを頼りに生きていくこととは、ひょっとするともっとも絶望的な事実を背負うこととの裏返しであり、諦めることがとても楽なことであるにも関わらず、希望を持つことは茨の道を歩き続けなければならないことにほかならない。そのことに気付いていないわけがなかったのだが、多くの人はそれを認めない。つまり人間弱いのだから、ツラい道を選択し続けることなどそうそう出来るわけがない。だから希望を抱いている人達も、その実諦めの気持ちがすでにあるはずなのだ。だから人間は失意の底に沈んだとしても、すぐに浮き上がってこれる。

そんな一見矛盾したような人間の歪みについて発見できた映画だったかもしれないです。

ただもう二度と観ることはないと思います。

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