4.08.2007

日はまた昇る

少し前の本になってしまったが、エコノミスト誌の編集者であった(2006年3月31日まで)Bill Emmottが日本のこれからの15年について書いた作品が積ん読状態になってしまっていた。今朝は(日曜にしては)早く犬に起こされてしまったので、この本を思い出して、読んでみた。日本についての洞察力に優れた著者だが、改めてその深い日本への理解に敬意を示すに値する。

15年後、自分は43歳になっているのだが、社会の中核を担う世代になっているわけだ。実はそう遠くない未来だけれども、その頃には一体どんな世界になっているのだろうか?

間違いなくアジアは世界経済の中心になっているだろう。今朝の日経の朝刊にも時価総額1兆円以上の企業の出身地でアジア(除く日本)が大躍進している記事が出ていた。その中でも中国の突出ぶりは圧倒的な真実として日本の身に迫って来ている。人にも感じ方はよるだろうが、多かれ少なかれ脅威として。

この間朝まで生テレビで日中問題討論をやっていた時にも書いたが、中国人は日本が嫌いで、日本人は中国が嫌いだ(勘違いをしてもらわないように一応書いておくと、それぞれ中国人は日本人が、日本人は中国人が嫌いとは書いていない)。この日中間に横たわっている分断を取り去るのには、この本でも書かれているように、相当な時間を要すると思われる。靖国問題があるにも関わらず、日韓の距離が民間レベルで縮まって来ていることを考えると、尚更だ。

ただ、嫌いだ何だと言っている暇もなく、アジア(特に東アジア)の重要性は増して行くだろう。一つの大きな経済圏が作られて行く過程において、存在感をしっかり打ち出していかないと、日本は中国に跪く結果となるだろう。

アジア諸国と日本はどのように付き合って行けば良いのだろうか?この本にも書かれていたのだが、日本のポジショニングは地政学的に欧州連合とイギリスの関係から考えさせられるものが多い。島国である点、海を隔ててアメリカとつながっている点などが似通っている。イギリスはある意味で欧州連合とは少し距離を取っている。通貨は今のところポンドを使い続けているし(ユーロでの決済も可能だが)、制度面でも良いモノは取り込むが全てではない、という姿勢を貫いている。これからどうなっていくかどうかはまだ分からないが、先行事例として日本が学ぶべき点はたくさんあるような気がする。

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